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「Observer's name」あとがき
きっかけは、友人によるマット考察でした。
マットは何故、眼鏡やサングラスではなくゴーグルなのか。
部屋の中でも、一人きりの時でもゴーグル着用というのには、何か理由があるんじゃないか・・・。そこから生まれたのが「マット=特殊能力者」説です。
例えば、仕草や表情、体温の変化、発汗、血流、体表面の状態、 そういったものを言語として解する能力者。しかし、全てを「読んでしまう」ことに常にジレンマとストレスを感じ、ゴーグルを手放すことができない・・・ちょっとした短編ほどの長さはある詳細な設定。電撃が走りました。
「これの小説を読んでみたい!」そんな己の欲望からスタートしたこのマット小説、無事に完結できて良かったです。
設定の詳細は、友人・やまうみうしさんのブログ 狒々主義 →「マットのゴーグルについて本気出して考えてみた」の記事をご参照ください。
《読める》のは顔だけ等改変した部分はありますが、第2章の鳥のエピソードなどはほぼそのまま使わせて頂きました。深く御礼申し上げます。
■1. The Messenger's name is ...
原作でのマット初登場は終盤近くですが、「きっとマットは、もっと前からメロのことを手伝っていたに違いない」という妄想設定により、「Observer's name」ではマフィアの抗争に足突っ込んだりしています。
バイオレンスな雰囲気にしたくてハードボイルド文体を駆使しようと試みましたが、結局この章だけで挫折しました・・・。
■2. The Detective's name is 《L》
当初、授業の講師はロジャーという設定でした。しかし、せっかくワイミーズハウスを舞台にしているのにあの人を出さないわけには!と、途中で大幅に書き直して《L》にご登場願いました。
全章にわたって彼が《L》とカッコ付表記になっている理由は三つ。マットが《L》の本名を知らないことと、《L》はやはり特別な存在だから。あとの一つは脳内妄想すぎるので省略。
■3. The Detective disqualification is 《Matt》
タイトルは「マット、探偵失格」というような意味。マットは「ニア、メロに継ぐ頭脳」のはずが、《L》候補という雰囲気がまったくないのが謎で、どこかできっと候補からはずれたのに違いない・・・という推測から作ったエピソードです。
メロが出てくると勝手に話が進んでくれるので楽でした。この辺からどんどんメロ好きになってます。
■4. The Successor of 《L》 is 《M》 or 《N》
マットとメロの再会だけで次に進むつもりが、再会があるなら別れのシーンも、等々付け足していくうちにどんどん長くなってしまった章です。
この章の《M》に近い雰囲気の凄腕ゲーマーさんは実在します。私もゲームは大好きですが下手なのでうらやましい。
■5. It is 《M》 to...
一稿目では、SPKがどうこうとかニアに関する会話が挟まれていたのですけど、デスノ13巻の年表見直したら第5章の時点ではSPKすら設立されていない(SPK設立は2009年)と判明し、泣く泣くカット。
当初の予定では第1章の猫をメロ&マットで仲良く飼っておしまい、だったのですが、これから二人に待ち受ける運命を考えるととうてい猫のその後が心配になり、こういうエンディングになりました。
ここから丸二年経たないうちに二人とも・・・という事実を思うと悲しいですけれども、マットはメロを選んで最後まで幸せだったんじゃないかと思います。
それでは、「Observer's name」にお付き合い頂きありがとうございました。読んでくださった全ての方に感謝を。
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